「この子が大人になったとき」発達ゆっくりっ子ママが調べた将来への備え|就学・お金・親亡き後

療育・支援(制度・体験談)

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発達ゆっくりっ子を育てていて「将来」という言葉が怖い方/漠然とした不安を、少し形にしたい方/今すぐ全部解決できなくてもいい、ただ前を向きたい方

「将来」という言葉が、怖かった
夜、ふとした瞬間に考えてしまう。

小学校はどうなるんだろう。
中学は。高校は。
就職は。

考えるたびに、霧の中に迷い込む感覚がした。
先が見えない。正解も分からない。
だからずっと、「将来のこと」を考えるのを、少し先延ばしにしていた。

でも先日、ふと気がついた。

怖いのは「将来」そのものじゃなくて、「何も知らないまま将来が来ること」なのだと。

知ることさえ始めれば、霧は少し晴れる。
全部解決しなくていい。ただ、知る。
それだけで、今夜の不安は少し小さくなるから。

まず「就学」という最初の分岐点
発達ゆっくりっ子を育てていると、小学校入学はただの「入学」じゃない。

通常学級か、支援学級か、特別支援学校か。
この選択が、5歳ごろから静かに迫ってくる。

わたしが調べてみて分かったのは、「どこが正解か」という問いの立て方が、そもそも間違っているということだった。

就学先は、子どもの状態と、その学校の環境と、家族の考え方によって変わる。
誰かに「ここにしなさい」と決めてもらえる問題じゃない。

だから今わたしがしていることは、「決める」ことじゃなく、「選択肢を知っておく」こと。

就学相談は多くの自治体で年長の4〜5月ごろから始まる。
今の子どもの様子をメモしておく。療育先の先生に聞いてみる。
「まだ先」と思っていると、あっという間に受付が始まる。

「親亡き後」という、目を背けたくなる問題
正直、考えたくなかった。

でも、これを先延ばしにするほど、この子に不利な準備しか残せない。

「親亡き後問題」とは、親が高齢になったり亡くなった後、障害のある子どもの生活をどう支えるか、という問題だ。
グループホーム、障害年金、成年後見制度——言葉は聞いたことがあっても、内容をちゃんと知らないまま、何年も過ごしていた。

まず知ったのは、障害年金は「働けなくなったとき」だけじゃない、ということ。
20歳になった時点で一定の要件を満たせば、本人が申請できるものがある。
今すぐどうこうするわけじゃないけれど、「20歳になったら確認する」とメモしておくだけで、少し気持ちが落ち着いた。

次に知ったのは、グループホームには「待機」が存在すること。
入りたいと思ったときに入れる場所じゃない。早めに情報収集を始めて、見学し、必要であれば申込みをしておく必要がある。

全部を今日やらなくていい。
ただ、「知らなかった」という後悔だけは、減らしておきたい。

お金のことを、真剣に考え始めた
以前の記事で書いたが、わたしが仕事を続けているのは「感情じゃなく、計算だ」という理由もある。

この子が成人した後、支援を必要とする場面は必ずある。
グループホームの費用、日中活動の費用、医療費どれも安くない。

では、今のわたしに何ができるか。

わたしが始めたのは、「この子のための積み立て」を生活費と完全に分けて管理することだ。
金額は今は小さくていい。習慣として仕組みを作ることが大事だと思った。

調べていくうちに、知らなかった制度がいくつもあることに気づいた。

まず障害年金について初めて知ったのは、20歳前に初診日がある場合、その病気やケガの影響で20歳以降に重い障害(1級・2級)と認められれば、保険料をあまり払っていなくても障害基礎年金を申請できる可能性があるということだった。
「働けなくなった大人が申請するもの」というイメージしかなかったけれど、そうじゃないケースもある。

そして20歳になる前から受けられる支援として、「特別児童扶養手当」という制度があることも知った。
一定の条件を満たせば、20歳未満の障がい児を育てている親に手当が支給される。
知らないまま申請しない人も多い、とあとから聞いた。

もう一つ調べているのが、「心身障害者扶養共済制度(しょうがい共済)」だ。
都道府県が運営する制度で、保護者が掛け金を払い続けることで、親が亡くなったときや重度障がいになったときに、障がいのある子どもが生涯にわたり毎月一定額の年金を受け取れる仕組み。
加入できるなら、早めがいいと知った。

いずれも、障害等級や所得制限などの条件がある。全員が使えるわけじゃない。
でも、知らなければ選べない。知っていれば、選べる。
それだけで、この子の将来の選択肢が一つ増える。

知ることで不安が消えるわけじゃない。
でも「何も分からない怖さ」から「選択できる状態」には変わると、調べてみて感じている。

お金の不安は、「見えないから怖い」部分が大きい。
調べて、少しずつ形にしていくほど、漠然とした恐怖は「対処できる課題」に変わっていく。

今この瞬間の「療育」が、将来に直結している
将来を考えるほど、今の療育の意味が見えてきた気がしている。

言葉を増やすこと、感情を表現すること、集団の中で過ごすこと。
どれも「今の課題」に見えて、実は成人後の自立につながる土台だ。

療育の先生に教わったことで、今も忘れないことがある。

「この子の強みを、この子自身が知っていることが大事です」と。

できないことを補う力も大事だけれど、
「自分はこれが得意だ」という感覚を持って育った子は、社会に出たときに違う。
得意なことを軸に、人と関わり、場所を見つけていける。

映画のセリフをそらんじる力。ブロックを整然と並べる集中力。
今は「特性」に見えるものが、やがて「個性」として輝く場所が必ずある。
そう信じることは、わたしにとっての武器になっている。

「一人で抱えない」ことが、最大の備えかもしれない
将来のことを考えていると、どうしても「わたしが全部やらなきゃ」という気持ちになる。

でも、一人で抱えることに限界があるのは、もう知っている。

相談支援専門員、放課後等デイサービス、障害福祉課の窓口
社会には、この子のために使える「プロの力」がたくさんある。

それを「お世話になること」として遠慮するより、
「チームを作ること」として積極的に関わっていくほうが、この子のためになる。

一人で抱えず、チームで育てる。
これはこの子の将来への最大の備えの一つだと、今は思っている。

全部解決しなくていい。でも「知ること」を止めない
将来のことを考えると、まだ怖い。

「うまくいく保証」なんてどこにもない。
制度は変わる。子どもの状態も変わる。社会も変わる。

それでも、今日調べたことは無駄にならない。
今日知ったことが、半年後の選択を楽にする。

何も知らないまま不安だけが膨らむ夜より、
少し調べながら「これは今できる、これは来年考えよう」と仕分けられる夜のほうが、ずっと眠れる。

完璧な準備なんていらない。
「知ることをやめない親」で、いればいい。

それがこの子への、今できる一番の贈り物だとわたしは思っている。

次回は、この子との「コミュニケーション」の変化言葉が増えてきたいま、わたしたちの間に生まれたものについて書こうと思います。

どうか同じように我が子を思い、調べ、涙を流すあなたの心が少しでも晴れますように。

著者:風助ママ
発達ゆっくりっ子を育てるワーママ。日々のリアルをそのまま書いています。

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